60周年記念式典2022.11.09
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記念式典全景
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学校長式辞
式辞
本日ここに、白陵中学校・白陵高等学校創立60周年記念式典を挙行するにあたり、同窓会、育友会、後援会の役員の方々の御臨席を賜り、心より御礼申し上げます。
本校が歩み始めたのは1963年でした。その年の4月25日には、大阪駅前に日本初の横断歩道橋が完成したといいます。戦争の焼け跡から、ものがだんだん作られていき、人間との共存が人の意識に上り始めた、そんな時代でした。
創設者の三木省吾は猛烈な勢いで学校を牽引し、創立20周年の記念式典では次のように述べています。私はまだまだ若い、この学校をあらゆる意味で日本一の学校にしたいと。しかしその翌年、52歳で亡くなりました。創設者の急逝もありながらの、がむしゃらに進んだ創立30年の頃、克明に姿を現してきたことがありました。東大への合格者などは増えましたが、大学に入ってから意欲をなくすものがでているといったことです。これではいけないと、6年一貫のカリキュラムを全面的に見直す作業を10年余りに渡って行いました。同時に多くの改革も立て続けに行い、現在の白陵があります。一方で、今の日本においては、たとえば、信号機のない横断歩道で車が止まってくれない確率は90%以上だと聞きます。どんどん住みにくい世の中になっています。これは間違った道を歩んだ結果でしょう。良いものを作り、良いことを引き継いできた面はありますが、ここまで陰に陽に国を動かしてきた力は、実はそれほど良いものばかりではなかったということが今、露になってきています。これはつまり、日本がついに正常化する時代を迎えたということです。風土や文化に根差した思慮深い人間として一人一人がリーダーとなる時代であり、間違った部分を作りかえていくことが求められています。そして、それを担っていくのはここにいるみなさんなのです。この意味においても、白陵は第一級の学校になりたいものです。
そのためには苦しいこともありますが、間違った道を進んでいるときの苦しみではなく、希望につながるものとなります。白陵が掲げたのは「研究と訓練・独立不羈・正明闊達」です。それは時として、あまりに高い目標であるために、日が遮られて薄暗くなることもありました。しかし、年月を経て、今や暖かい日差しのなか、私たちの背中を押してくれます。皆さんの先輩にあたる旧制姫高生がこよなく愛した「白陵歌」には次のような一節があります。
高き希望にもゆるとき
情熱の児は乱舞する
享楽の心ゆくままに
元気がでてきますね。これで式辞とします。
令和4年11月9日
学校法人三木学園白陵中学校・高等学校 校長 宮﨑 陽太郎
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式典の様子