入学式
学校長式辞
入学式式辞
今年は改めて、春という季節の姿を見せてもらった感じがしました。
華やかさといささかの不安定さの入り交じった春を。今日の入学式も華やかさと喜びに彩られていますが、
それだけではない思いの人もいるでしょう。しかし、物事が新しく動く時は、すべてそういう二面を擁しています。
まずは、この新しい出発の日、三木学園白陵中学校・白陵高等学校第50回入学式を迎えましたことを
皆さんとともに喜びたいと思います。ご出席を賜りました野添育友会長様、保護者の皆様には心よりお礼を申し上げます。
先ほど入学を許可しました中学1年生186名、高校1年生190名の皆さん、入学おめでとう。
とりわけこの1・2月の試験に合格して入学してきた人にとりましては、新しく自分を成長させていく場を自ら選び、
その所を得たということで、心の内はひとしお豊かにふくれ上がるものがあるかと思います。
私たちは、皆さんが今日の喜びを強い決意にかえて、新しい生活に意欲を燃やしてくれることを期待しています。
そして、ご列席の保護者の皆様にも、改めてご子弟のご入学についてお祝いを申し上げ、
今後一緒に手を携えてその成長を支援していきたいと念じております。
さて、これからの6年間あるいは3年間、私どもは、授業は言うまでもなく学校行事や部活動等、
本校での生活のすべてが学習・訓練の場であると考え、最終的に生徒、
保護者の皆様に本校を選んでよかったと思っていただけるよう、全力で教育に当たるつもりです。
その出発の時にあたり、私の思いの一端を申し述べたいと思います。
学校や会社等に入ったとき、よく言われる言葉に「初心忘るべからず」というのがあります。
これは能を大成した世阿弥の言葉ですが、本来は「是非初心不可忘。時々初心不可忘。
老後初心不可忘」と続く言葉の一節で、本来は「初期段階での未熟を悟り、
後の上手の段階へと次第に向上すべきだ」という意味だそうです。
私は「最初の時の決意を忘れるな」いう意味よりは、この本来の意味の方がより皆さんには相応しいと考えます。
それは、皆さんを未熟な学力だと考えるからではなく、若い時というのは心身共に不安定で、
それを徐々に成長させていくのが学校生活だと思うからです。
そして、その学力を伸ばしてくれるのは、頭脳のよさもさることながら、生活面での安定、
しっかりした毎日の生活が不可欠だと私は考えています。
このことについてもう少し触れますと、現在日本で大きな問題になっていること、例えば消費税増税の問題、
原発廃止の是非などは、現在専門家でも意見が分かれている状況です。テレビや新聞はいろいろと言っていますが、
ひとつのムードの中での意見で、どう変わるか分かりません。皆さんは将来、
そういう問題にも自分なりの判断を持てるようになることを求められます。そしてそのためには、
今日の前にある学習を一生懸命やることから始めるしかしかないのです。
よく受験勉強は意味がないなどという人がいますが、それは間違っています。
知識の量は多い方がいいし、深く幅広く考えられること、論理的に説明できることは絶対に価値のあることです。
まして、それらについて調べる好奇心を持ち、どうすれば調べられるかという方法を身につけることは
なおさら意味のあることです。本校の日々の学習はそういう力を積み上げていく学習だと思ってください。
そういう学力を身につけるためには、先ほど、毎日の生活に乱れがないことが大切だと申しました。
本校が他校に比べて生活面の規則で若干厳しいのは、そこに理由があります。誤解して欲しくないのですが、
楽しむことをしてはいけないというのではありません。本校の生活には楽しいことが沢山あります。
部活動も学校行事も友達との付き合いや遊びも、皆さんをわくわくさせるものです。ですから時に、
気持ちが少し緩んでしまうこともあるかも知れません。それを元に戻してくれるのは、生活のリズムであり、
生活の規則正しさだと思ってください。
少し話が逸れますが、この間一流の机・椅子等の家具を作りだし、一流の家具職人を育て上げている会社
「秋山木工」のことを知りました。そこは昔ながらの徒弟制度を採用し、見習いの1年間と丁稚の4年間は携帯電話すら持たせず、
とにかく厳しく鍛えます。その時、大事なのは技術ではなく人間性だとして、木工の技術も教えるのですが、
同時に食事の仕方、手紙の書き方、人との話し方、あいさつの仕方、レポートの書き方など、
人間性を高めることを徹底して教えるのだそうです。人へのやさしさ、気遣いができないようでは駄目、
自分のことしか考えない人はどんなに技術ができてもクビ。毎日何十回と口に出して言わせる「職人心得」
30か条はすべて人間としての有り様を説いたものでした。私は、これは家具職人の世界に限らず、
どの分野にもあてはまることではないのかと思いました。例えば皆さんの最後の目標は、
いい大学に入ることではなく、将来自分にあった分野でいい仕事をし、
社会に役に立つ人材になることではないでしょうか。今の日本は、本当に他の役に立てる、
いい人間が求められているのです。
私は、皆さんへのそういう期待を心に抱きながら、2月に皆さんに課した課題図書の感想文を読ませてもらいました。
選んだ本は違っても、どの作文からも、本校で素直な気持ちで一生懸命やろうという意欲がうかがえました。
付け加えて申せば、保護者の皆様の協力ぶりもあちこちに見えて、これも大変ありがたく思いました。
これから本校を卒業するまでの3ないし6年間はもちろん、次の学年に上がる1年間でも結構長い期間です。
春という季節は青春の比喩に使われますが、春が不安定であるように、青春時代も似たようなことがよくあります。
そして逆説的ですが、固定しない不安定さが信じられないほどの成長の早さと一体になっているのです。
そういう今日の新しい門出、改めて53期の中学1年生、50期の高校1年生が力強く成長していきますことを祈念して、
式辞といたします。
平成24年4月9日
学校法人三木学園白陵中学校・高等学校 校長 斎藤興哉
入学式の一日
第50回入学式の日です。
2012.04.09
新しく高校1年になった生徒達。
新しく中学1年になった生徒達。
入学式式場の看板前で、未来の白陵生(だといいですね)が記念撮影しています。
高校、中学の順で、一人一人の新入生の名前が呼ばれ、新入生は元気に返事をし、起立していきます。中学1年の学年主任が呼名しているところです。
高校生全員が起立した状態で、校長から、高校1年生に対する入学許可宣言が発せられます。
今度は中学生が起立していきます。
校長が入学許可宣言をし、続いて、入学式の式辞を述べました。
新入生を代表して、高校1年の女子が宣誓を行いました。
新入生は起立して、その宣誓を共有します。
最後に新入生を担当する教員が紹介されました。
学園内の桜は満開です。
学園道路をやってくる新入生達。高校1年の学年主任が先導し、記念撮影に入ります。
高校1年5組。
高校1年1組。
高校1年2組。
高校1年3組。
高校1年4組。
中学1年1組。
中学1年2組。
中学1年3組。
中学1年4組。
中学1年5組。
新入生の記念撮影をカメラに収める保護者の方々。
桜の下で記念撮影。