中学入学式

入学式全景

2020.04.09

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学校長式辞

入学式式辞

 寒い日もありますが、桜はまさに満開の今日この頃です。この良き日に、白陵中学校に入学された205名の皆さん、 ご入学誠におめでとうございます。教職員とともに、皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。 また、保護者の皆さまには、本日を迎えるまでのご苦労に対して、敬意を表するとともに、 お子様のご入学を心よりお慶び申し上げます。 ここで、学園を代表して、お祝いと激励の言葉を贈りたいと思います。

 皆さんは白陵中学校の第58期生となります。今日は皆さんにとって新しい生活の第一日目です。 誠におめでとうございます。世の中は何やら重苦しい空気に包まれていますが、晴れない雲、 止まない雨はありません。大きな希望をもって白陵に飛び込んでほしいと思っています。

 入学される皆さんには、課題図書5冊のうちから一冊を選んで読んでもらい、感想文を提出してもらいました。 なかには、5冊とも読んだという人もいましたが、本を読んで、自らのこれまでの体験と重ね合わせて、 考えることも多くあったようです。それを踏まえて、 これから入学するにあたっての不安と期待が素直に表現されていました。 さすがに合格を手に入れただけあって、よく書けているなあと感心する文章がたくさんありました。

 半数近くの96名が選んだのが、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』でした。 仲間を裏切ってしまった自責の念にさいなまれる主人公のコペル君。仲裁をしてもらおうと相談したおじさんに、 「コペル君、今君は、大きな苦しみを感じている。なぜそれほど苦しまなければならないのか。 それは君が正しい道に向かおうとしているからなんだ」といわれ、ハッと気づいたコペル君が、 自分の過ちを受け入れる手紙を書いて謝罪するという場面が印象的な本です。

 コペル君の、仲間を裏切ってしまったという事実は変えることが出来ません。過去は決定済みで 、後から影響を及ぼすことは不可能であるという常識があります。しかし、 現在第一線で活躍中の多くの日本の哲学者たちを育て、影響を与えた哲学者の大森壮蔵は、 「過去は決定済みのものではなく、後から創り出すことが出来る」といいます。 常識というのは人類にしみついた「思い」でしかない。過去というものに違った篩をかけると、 それに対する思いは、また違ったものになる。つまり、後から過去は創り出せるというわけです。 確かに、コペル君にとっては、後から自分の過ちを受け入れることによって、 裏切ったという過去は全く違ったものになって、立ち直ることが出来ました。

 さて、皆さんにとって、小学校時代が、今回の新型肺炎対策によって、 通常の終わり方をしなかったという過去があります。仲間や先生たちとの別れがきちんとできず、 くよくよしている人もいるでしょう。しかしそのような過去も、 今を楽しく元気にすることができる過去に創り出すことが出来るのかもしれません。 どのような篩にかければいいのでしょうか。また未来についてはどのように考えることができるのでしょうか。 皆さんへの宿題です。

 そういった宿題もこなしながら、白陵中学第58期になります皆さんが大きくたくましく 成長していきますことを祈念し、式辞といたします。本日は誠におめでとうございます。

令和2年4月9日

     学校法人三木学園白陵中学校  校長  宮﨑 陽太郎

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入学式の一日

第58回中学入学式の日です。

2020.04.09






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入寮式

寮の食堂で入寮式が行われました。

2020.04.06




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