高校入学式
入学式全景
2020.04.09
学校長式辞
入学式式辞
寒い日もありますが、桜がまさに満開の今日この頃です。この良き日に、白陵高等学校に入学された186名の皆さん、
ご入学誠におめでとうございます。教職員とともに、皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。
また、保護者の皆さまには、本日を迎えるまでのご苦労に対して、敬意を表するとともに、
お子様のご入学を心よりお慶び申し上げます。ここで、学園を代表して、
お祝いと激励の言葉を贈りたいと思います。
皆さんは白陵高校の第58期生となります。今日は皆さんにとって新しい生活の第一日目です。誠におめでとうございます。
その第1日目が、例年とは全く違ったものとなっています。
皆さんの高校入学2020年を、大きな視点から見てみましょう。日本はこのところ、30年ほどで大きく時代が変わっています。
1930年からの30年は「戦争の時代」、1960年からの30年は「経済発展の時代」、1990年からの30年は「迷いの時代」、
といったところでしょうか。日本が迷走した30年間、世界では、冷戦の終結で平和になると思いきや、テロの頻発、
内戦による難民の続出、グローバリズムによる中産階級の没落、米中貿易戦争など、世界のトレンドは、協調から、
対立と分断へと突き進んできました。皆さんはその丁度中間地点でこの世に生まれ、そして今、
パンデミックによる世界的危機を目の当たりにしています。休校やイベント中止は常識的な判断で、
感染爆発になる前の対策として必要なことでした。一方でデマが流布し、ほとんど日本中がパニックになりました。
パンデミックになったとしても、パニックになったら「あかんでミック」!
助長したのが偏った報道や無責任なSNSの言葉で、識者といわれる人も、何かにつけて感情的に批判し、
不安をあおり、混乱に輪をかけました。今や正しく恐れることが難しくなっています。
このような危機に遭遇すると、平時には見えないものが見えてきますし、日本が迷走した原因も現れてきます。
それは、縦社会、権力とお金、忖度、報道と言論の不自由、思考停止などの言葉で表すことが出来るものです。
それらの言葉に共通しているのは「異常な不自由さ」です。このことに気づいた日本のこれからの30年は、
こういった異常さからの脱却の時代になるのだと思います。良識を伴った自由というのは厳しいものでもあります。
ピリッとした良い時代にしていかないといけませんね。
さて、皆さんは職員室前に貼られた、今春の「登竜門」を見て、
私も○○大学を目指して頑張ろうと思うのかもしれません。○○大学へ合格するという目標は、
やるべきことが与えられることにはなります。しかし、大学入試はすぐに終わります。そのあと何を学ぶのか。
学ぶべきものを見つけることが出来るのか。学ぶものが与えられなくなった時こそ、勝負の時となってきます。
特にこれから、時代が大きく変わります。なにごとも昔からそのように決まっているから、ではなく、
なぜそうなっているのかを自ら考えることです。それが、
皆さんがこれから生きていくための大きなエネルギーになってきます。自分の立ち位置を感じ取って、
自ら学べる人になっておくこと。これを目標にしてほしいと思っています。
最後に改めて、白陵高校第58期になります皆さんが大きくたくましく成長していきますことを祈念し、
式辞といたします。本日は誠におめでとうございます。
令和2年4月9日
学校法人白陵高等学校 校長 宮﨑 陽太郎
入学式の一日
第58回高校入学式の日です。
2020.04.09