卒業式
卒業式全景
2022.02.11
学校長式辞
2022.02.11
卒業式式辞
例年以上に寒い日々が続いています。それでも立春が過ぎ、日差しも日一日と強まってきて、空は一段と明るくなっています。
この良き日に、白陵高等学校を卒業される189名の皆さん、誠におめでとうございます。
ご列席の育友会長・副会長、同窓会長、後援会長、そしてご家族・教職員とともに、皆さんのご卒業をお祝いしたいと思います。
あわせて、関係者の皆様よりいただいた数々の厚いご支援に対して、心より御礼申し上げます。
皆さんが白陵高等学校に入学したのは平成31年の4月でした。
その6日の午後、入学式に集う皆さんを、満開の桜と青い空が出迎えたのでした。5月からは年号が令和に変わり、新たな気持ちでの高校生活が始まりました。
6月は球技大会。午後から快晴となり、白熱した試合がたくさんありました。
ロンドン修学旅行から意気揚々と帰ってきた先輩たちを、次は自分たちかと横目で見ながら、やがて「暑さ指数」という言葉が口の端に上るほどの暑い夏を迎えました。
皆さんは勉学に勤しみながらも、部活やボランティア、模擬裁判などで活躍し、学年全体での「東京研修」を見事に成し遂げる活動的な学年となっていました。
晴天と猛暑の中での運動会が思い出されます。文化祭も盛り上がり、やがて秋風が吹きますが、大前光市氏と江口貴博氏による熱い思いの伝わる講演会では元気をもらいました。
令和も2年目となり、これからの高校生活を一層充実したものにしようとしていた頃です。
1月15日、来航していたクルーズ船から何やら感染者が出たというニュースがあり、これが「コロナ禍」の始まりとなりました。
このような中でも、柔道大会では高校2年生との熱戦を繰り広げ、高校3年生の卒業式を見届けたあと、自分たちは高2となり、
様々な服装での登校にも慣れてきたころには高3になり、そうして乗り越えてきた2年目の1月15・16日。
皆さんには大学入学共通テストという大きな試練が待ち受けていたのでした。難しい試験でしたが、何とかそれを乗り越えて今、
前に進もうとする皆さんの姿を見て大変心強く思っています。
話を少し戻します。皆さんにとって高校2年は大変な1年となりました。緊急事態宣言による休校の後、学校での授業が再開したのは6月1日からでした。
勉学の遅れを取り戻そうと頑張りましたが、ロンドン修学旅行は不可能になり、8月からは感染者が急増しました。
猛暑と相まって、運動会そして文化祭は中止となりました。これがはたして高校生活といえるのか(否、いえない!)。
ロンドンに行けなかった悔しさが心の中に「ろんどん」、否、どんどん広がっていったのではないでしょうか。
しかし、その代わりとして行った沖縄・石垣島の輝くような海と空! 11月も末だというのに、夜でも20℃を下回らない。
これが同じ日本だといえるのか(否、・・・日本やろ!)。コロナ禍の「第3波」中にあっては稀有の、太陽の光に恵まれた開放的な修学旅行となりました。
年明けての1月末には、松方ホールでの関西フィルハーモニーによるMozart楽曲の演奏会。
『Eine kleine Nachtmusik』などの美しい調べが耳に残っています。ロンドン経験希少価値生命体である先輩達の卒業式には参加できなかったけれど、
最終学年としての覚悟を持っての高3が始まりました。4月末には緊急事態宣言がでましたが6月からは解除となり、
マスクの鬱陶しさはあるものの、運動会以外は何とか行事もある程度行えての高3生活でした。運動場と学園道路の間にはフェンスができ、
なんでもこれでコロナウイルスを防ぐとか(そんなわけないやろ!)。
皆さんの先輩となる熊谷千葉県知事による講演会はズームでの開催になりましたが、熊谷氏からは「自分とは異なる背景の人と交流し、
積極的にいろんな仕事を経験しながら世界を広げてほしい」とのエールがありました。
この2年間は不安とどう付き合うかということに終始した感があります。不安というものは、それがないことにはできませんから、
自分ではどうしようもないことです。逆に不安がないとすれば、それは動物としての人間にはあってはいけないことです。
人間は危機に対する察知能力において、進化の過程で生き延びて今があるのですから。
実態がよくわからないから不安であるというのは当たり前のことです。実態がよくわかっているならそれは不安ではなく、恐怖となります。
そして、本当に怖いものだと分かればそれはそれとして対処すればよろしい。
しかし昨今は、「安全・安心」などといって本来異質な二つの事柄なのに、同時に達成されることが当たり前とするような風潮があります。
これが、不安はあってはいけないという思想と結びつくと、思考停止のおかしな世の中になってきます。
不安であるなしより大事なことは、自分が本当は何を望んでいるのか、正しいと思うことをしているのかということです。
不安はつきものであり、その不安を差し当たっては保留しながら、まずは体を動かし、五感を研ぎ澄ませ、いかに粘り強く考えていくか。
そのなかに、豊かな未来を押し開くヒントがあります。単に人を押しのけるために勉強する、或いは、
ただ流れに身を任せて生きるというようなことでは生きる意味は生まれません。
さて、皆さんは白陵高等学校第57期の卒業生となります。卒業生数は皆さんを含めると、9890名になりました。
色々なことのあった白陵での高校生活が終わりを迎えようとしています。これから大学入試の本番を迎えるというときに、
今はなかなか過ぎ去った日々を振り返ることができないでしょう。しかし、学年の先生たちが最高の学年にしようとし、
それに応えてきた皆さんに、これまでの日々を通して身についたたくさんのことがきっと皆さんを支えてくれるはずです。
そのパワーを信じて、明るい未来に向けて旅立ってください。幸せいっぱいの楽しい人生であることを祈ります。
本日は白陵卒業、おめでとう。
令和4年2月11日
学校法人三木学園 白陵高等学校 校長 宮﨑 陽太郎
答辞
2022.02.11
卒業生代表答辞
厳しい寒さが続いていますが、春の訪れを感じられるような季節となりました。
本日は私達57期生のためにこのような盛大な式を設けてくださったことを、卒業生を代表し、御礼申し上げます。
白陵高校での3年間はあっという間に過ぎていったように感じます。2019年4月、入学式を迎え、
高校生活がどのようなものかと思いを巡らせていたのが昨日のようです。私達57期生の白陵での3年間を振り返ると、
なんといっても大きな変化を経験した学年といえるのではないかでしょうか。高校1年生の時に流行の始まった新型コロナウィルスにより、
学校の休校が決まると、当然今まで学校の授業を中心に学習を進めてきた私達は突然の長期休校に何をして良いのか分からず、
大いに戸惑いました。学校が始まってからも、授業時間が短縮され、文化祭や運動会、柔道大会などの恒例行事は軒並み中止となり、
コロナ禍によ て自分たちの学校生活が変ってしまったのだということを痛感しました。また、コロナ禍とは別に高校生の私服登校が許可され、
白陵での皆の装いも大きく変化しました。しかし、コロナ禍を経ても変らないことも沢山ありました。
休校期間が終わり、再び学校に通う生活が始まると、私達はこれまで同様授業や放課後の学習で友達と協力しながら多くの課題をこなし、
各々が目標を持ち、自分にできる精一杯のことをやりきることが出来ました。修学旅行は、中止かと思われましたが、
先生方の御尽力で沖縄へと行き先を変えて開催でき、石垣島や西表島の雄大な自然の中で数多くの貴重な体験をし、
また沖縄本島でのひめゆりの塔見学では、私達と同年代の人たちがたくさん戦争に動員され、亡くなったのだということを知り、
今私達が過ごしている当たり前の日常がどれだけ大切なものかを学びました。そして何より、友達と一緒に過ごせた修学旅行は、
かけがえのない思い出になりました。また個人的には、始業式や終業式がリモートになっても変わらなかった宮崎校長のダジャレには、
さすがの一言でした。
この白陵高校で、私達は多くのことを学びました。それはテストで点数を取るための知識だけではありません。
私が学んだ一番のことは、私達は多くの人に支えられて、応援されているのだということです。
これは、卒業生の多くが受験勉強において強く感じたのではないかと思います。テストの点数に一喜一憂し、
不安な中で、私達は先生方からは多くの助言を、家族からは励ましを、友達からは試練に立ち向かう勇気をもらいました。
これらのひとつでも欠けていたら、私は長くてつらい受験勉強を続けることはできませんでした。私達は決して一人の力ではなく、
支えてくださった多くの先生方、家族、そして友達の力を借りて今この場に立てています。今卒業を迎える私達の胸の中に浮かんでいる思い、
それは「感謝」以外のどんな言葉でも表すことはできません。
大学受験という高校生活最後の難関は、もう目の前に迫ってきています。またその先には、社会人として社会に出て行かなければなりません。
しかし決して一人ではありません。後ろには私達を見守ってくれている家族や先生方が居ます。横には協力し合える仲間がいます。
このことは、先の見通せない状況である今の世の中において、それでも私達が前を向いて進むための大きな助けとなるはずです。
最後になりましたが、私達を常に導き、励まし てくださった先生方、私達の快適な学校生活を陰ながら支えてくださった学校職員の方々、
そしてずっと私達を信じ、私達のやることを応援してくれた家族に改めて心からの感謝の意を表すると共に、
白陵高校の更なるご発展を祈念いたしまして、答辞とさせていただきます。
令和4年2月11日
第57期卒業生代表 若居 宏有
送辞
2022.02.11
在校生代表送辞
立春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが、その中でも草木はようやく長い冬の眠りから覚め、
生命の息吹が感じられる季節となりました。このような良き日に、卒業生の皆様が晴れてご卒業を迎えられましたことを在校生一同、
心よりお祝い申し上げます。
今、この卒業式を通して先輩方が白陵で過ごされた6年間の思い出が走馬灯のように思い浮かんでいらっしゃることと思います。
私達も、先輩方と共に過ごした歳月がほんの一瞬のことに思われ、先輩方とのお別れをとても寂しく感じています。
私達が白陵に入学してからを振り返ってみると、そこには必ず先輩方がいらっしゃいました。
入学して間もない頃から掃除の仕方や部活動での仕事などの手法を優しく、時には厳しく、右も左も分からなかった私達を支え、指導して下さった先輩方。
コロナ禍で少なくなった学校行事でも私達後輩の見本となり導いて下さった先輩方。また、私事で大変恐縮ではございますが、
生徒会活動で行事が少なく経験不足な私達のために卒業された方との会談の場を設けて下さった先輩方。
私達はこのような頼もしい先輩方を送り出すことのできる誇らしさと、
そんな先輩方との別れがすぐそこの所まで来てしまったことへの寂しさが入り混じって胸が締めつけられる思いです。
先輩方はこの春から新たなステージへと踏み出されます。その先には幾つもの困難が待ち受けていることでしょう。
しかし、修学旅行などの学校行事で培われた団結力や統率力、
コロナ禍による生活の様々な変化に動じることなくご卒業までの日々を過ごされた忍耐力や対応力を以って、
乗り越えて下さることと存じます。
最後に、先輩方のご健康と更なるご発展を心よりお祈り申し上げまして、送辞の挨拶とさせて頂きます。
令和4年2月11日
在校生代表 大垣 太陽
卒業式の一日
第57回高等学校卒業式の日です。
2022.02.11
祝電ボード
卒業式
卒業証書授与
表彰状授与
校長式辞
来賓祝辞
在校生総代送辞
卒業生代表答辞
卒業生退場
卒業式後の最終HR