卒業式
卒業式全景
2013.02.10
学校長式辞
2013.02.10
卒業式式辞
第48期生の卒業式を執り行う今日2月10日は、今年はちょうど旧暦の1月1日に当たります。元旦の卒業式ということになり、偶然とは言え、おめでたい限りです。そう思えば、ひとしお香り高い初春の気が満ち満ちているように思います。そういう中、ここに野添育友会長様を始めとするご来賓の方々のご臨席を仰ぎ、学校法人三木学園白陵高等学校の卒業式を執り行うことができますことを心からうれしく思います。
ただ今卒業証書を授与しました171名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。ただ、皆さんはまだ大学入試の真っ最中で、この4月からどこで何をするか確定していない、いわば中ぶらりんの状況ですから、これまでの3年間ないし6年間を落ちついて振り返る気持ちにはなれないでしょう。しかし、この白陵で送った年月が並大抵のものでなかったことは、皆さんが一番よく知っています。従って、今日は皆さんにとって、かつてない大事な中締めの時なのです。
また、ご列席いただいております保護者の皆様、改めまして、ご子弟が本日の卒業を迎えられましたことに心からお喜びを申し上げます。白陵生の保護者として、ご子弟の健康管理、学習環境の整備はもちろん、日々の生活の有り様等についても学校からの要求が多く、沢山のご苦労をなさっていただきました。それだけに今日のお喜びは一入のものがあるかと拝察いたします。本当におめでとうございます。
さて、卒業生の皆さん、この白陵での最後の1年は正に記念すべき年で、本校の50周年に加えて、同時に中学が5クラス体制になった1年目でもありました。本校は他の私学と比較して歴史的に若い学校ですが、この10数年を見ても、中学を男女共学にし、記念棟という他校にないアリーナを建て、校舎の完全建替えを実施し、当然教育内容の変化にも工夫して対応してきました。担当する教師の方も次々と新しいメンバーを入れております。簡単に言えば、そういう若さが皆さんと先輩たちを鍛え、成長させて送りだしてきたのです。今年皆さんの卒業で、本校の同窓生は8200名を超えます。
しかし、歴史というのは、学校でも個人でも似たところがあり、短いからと言って、何もなく単純に3年、6年が過ぎ去ってきたのではありません。思い返せばいろいろなことがあり、時には忘れてしまいたいこともあります。でも、それは決して恥などではないのです。自分の思いに忠実にやろうとし、意欲を出して挑もうとし、あるいは考えて迷った末に成果がでない等、その後に来るのがいい結果でないことはよくあることです。大事なことは常に前向きに挑戦しようとすることで、若い人がその気持ちをなくしたら、その個人にも日本にも、将来はありません。しかし、皆さんは日々真っ正面から考え、ことを行ってきました。自分の我を出しつつも、学校の指導に従って、今日を迎えたのです。
厳しく鍛えることは本校がずっと掲げてきたテーマでした。完璧にそれができてきたとは思いませんが、皆さんの今の姿とかつての有様を比較する時、それなりにがんばらせることができたのではないかという気がします。特に新高の生徒にとっては相当きつかったと思います。しかし、きれいごとを申す訳ではありませんが、人は苦労して大事な自分を創っていくのです。特に学習面で苦労があったはずですが、それらに負けずにここまで来られたと、まず自分で喜んでください。そうすると、他の学校生活も新たな光を放って蘇ってきます。
先ず加入率が高かった部活動、多くの者が引退の時までがんばりました。運動会、文化祭は普段見えない皆さんの別の面が浮かび上がった時でした。球技大会、柔道大会は級友との一体感を実感して燃え上がり、そしてロンドン修学旅行は私学ならではの大きなイベントとして強烈な印象を残しました。私はロンドンで、そのうちこの生徒たちは将来兵庫そして日本を離れたところで活躍する人が沢山いるのだと自分に言い聞かせました。
その皆さんの将来にかかわることをいささか申し上げます。人間は誰しも自分が生きる時代を選ぶことはできません。そしてそれぞれの時代には、いい面も悪い面もあります。皆さんが白陵に入った前後から、大きな地震が世界各地で何回も起こっています。その極めつけが東日本大震災でした。同時にこの5年間で日本人6名がノーベル賞を受賞し、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還があり、女子サッカーの優勝もありました。皆さんの保護者も、大なり小なり今まで以上の苦労を感じながら、同時に皆さんの姿に喜びを感じながら皆さんを育てて来られました。
この20年は、「失われた20年」と言われるように、確かに課題が目につく時代でした。日本はもう一度腰を入れ直して次の時代を作らなければなりません。安倍首相はまず強い経済をと言いました。私は、皆さんがまず大学教育を受け、学問について考えようとしている今、どうしても教育的な見地をはずすことができません。そして最初に言いたいのは、皆さんが進む専門分野の深い内容と教養教育とのバランスです。日本人の海外留学生が少ないことをとらえて「高等教育における知的鎖国」と言った評論家がいます。広い教養が無視されつつあるのです。そんな中で本校22期の山本さん、彼は外務省に入り、韓国・朝鮮が専門ですが、今は中国の藩陽領事館に勤務、中国語もものにして、この難しい東アジアの国のあり方を広く考えようとしています。彼の「土曜サロン」の話は感動的でした。皆さんの中には医療関係を目指す人も多いかと思いますが、是非広い視野で、症状はもちろん医療機関の有り様についても考えていってほしいのです。他の分野も同様です。
学問の世界は効率で考えることはできません。医療と福祉と教育は市場原理で動かしていくことはできません。そこでは「計算」をするよりも、まず物事の有り様により深い目を注ぐ必要があるのです。そのためには、言葉の意味を補う想像力、自分の言葉で考える思索が不可欠です。文理を問わず、広く読書に励み、それについて自分の言葉で語れる力が求められています。
そして、ものを考えるときは、少なくとも二つの見方を設定してください。自分のことを頑張りが足りないと思うと同時に、自分を評価する逆の視点が必要です。評価される人間になることとともに、悪く言われても信ずる道を貫くことが必要です。自分の持ち場ですべきことをやろうと思うとともに、他と競争してみようと思ってください。すべてについて、早く結論を出したいと思うのが若さの特徴ですが、焦ってはならないのです。そして、どちらかを選択するとき、日本人が「いいものは美しい」という考え方をしてきたことは参考になります。技術と美しさを一体のものと考えるのはもちろん、人間の有り機にまで美しさを求めたのが日本人です。
皆さんは、これからいろいろなことがあり、様々な状況に置かれて、苦しい時もあるでしょう。しかし、人は恵まれている時に持っている力が出せるとは限りません。むしろ恵まれない状況で、生きるために必死になっている時に最も力が出ると思ってください。皆さんが本校で苦労したことは、そのまま皆さんの力に結びついているのです。
皆さんは今日、白陵を卒業していきます。卒業ということは、ここでなすべきことはほぼ成し終えたということです。皆さんは新たなる場で、新しい目標に向かって、困難に負けずに歩んで行って下さい。もともと、若者というのはその存在自体が希望の灯火なのです。皆さんが元気で、それぞれの人生を創り上げていくことを心よりお祈りし、式辞といたします。
平成25年2月10日
学校法人三木学園白陵高等学校 校長 斎藤興哉
卒業式の一日
第48回高等学校卒業式の日です。
2013.02.10
卒業式会場の受付です。
いよいよ開会です。
今回から吹奏楽部が式典前の演奏や、国歌、校歌の伴奏もします。
開会の辞。
卒業証書が校長から手渡されます。
卒業生171名が全員、証書を受け取ります。
優等賞授与。
努力賞授与。
皆勤賞授与。
功労賞授与。今回は3名に授与されました。
校長式辞。
育友会会長から祝辞を頂戴いたしました。
第48期生担当の学年団。
在校生代表による送辞。
卒業生代表による答辞。
卒業生から記念品目録を頂きました。
卒業生退場。吹奏楽部の生の「威風堂々」です。
同時に発表されていた白陵高校受験生の皆様、こちらもおめでとうございます。
今から、体育館で開催される謝恩会に向かいます。
HRに卒業証書などを置き、体育館へ。玄関にて。
謝恩会の様子。
両手に花。
高校3年1組最後のホームルーム。
高校3年2組。
高校3年3組。
高校3年4組。
高校3年5組。
最高の笑顔。