卒業式

卒業式全景

2015.02.11

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学校長式辞

2015.02.11

卒業式式辞

 一昨年創立50周年を祝った本校は、本日第50回の卒業式を迎えました。今年の冬は寒暖の差が激しく、今日も凛冽たる気が天地に満ちていますが、立春が過ぎ、2月も中旬を迎えますと、やはり自然の歩みは、ゆっくりと早春の香りを湛えてきました。この良き日に、野添育友会長様を始めとするご来賓の方々、そして誰よりも今日の日を待ち望んでおられた保護者の皆様のご出席のもと、三木学園白陵高等学校の卒業証書授与式が挙行できますこと、心よりありがたく思っております。

 ただ今卒業証書を授与しました189名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。実は「おめでとう」にもいろいろあり、その一言で涙が出そうになる時もあれば、あとでじわっとうれしさがこみ上げてくる場合もあります。今の皆さんにとっては、今日も受験の過程、という感じが強いでしょうから、一茶の俳句になぞらえて言えば、「めでたさもまだ中ぐらいなり」が実感でしょうか。それはそれで悪くありません。それは、歴史の中で極めて大事な事柄があまり人に知られることなく起こっていた、というのと同じようなことかも知れませんが、白陵高校卒業という事実は確かに刻まれました。

 それに関して言えば、ご列席いただいております保護者の皆様の方が、感無量のものがあるのではないでしょうか。3年間又は6年間は決して短い期間ではなく、学校からの要求も多く、日々並々ならぬご苦労をなさっていただきました。それだけに今日の喜びは一入のものがあるかと拝察いたします。改めまして、ご子弟が本日の卒業を迎えられましたことに心からお喜びを申し上げます。本当におめでとうございます。

 さて、卒業生の皆さん、皆さんは奇しくも「50回」という区切りの卒業生になりました。しかし、そういう数字の暗合よりも大事なことは、白陵が50年たって、いわば成熟の時期を迎えつつある中で卒業するということです。前にも言ったことがありますが、歴史的に若い白陵はかなり身軽に学校の有り様を変えて新しい実践をなしてきました。その象徴が本校の「教育改革」であり、その中で国語表現や理科の実験重視の授業、社会の調べ学習などが生まれてきたのです。

 そして、その教育改革にぴたっと合う形で皆さんが見せた顕著な反応は、国語の学習への取組だったのでしょう。50期生は「国語学年」というイメージは最初からあったそうです。現国の授業で知識ではなく考え方を問う質問に手を挙げて答える姿、私の漢文では手を抜かない小テストへの取組など、他の学年と少し違っていたのが印象的でした。

 中学の時の作文コンクールから始まって、各種の理数系の全国大会や国際オリンピックでの素晴らしい成績は、そういう特長的な学年の有り様から生まれたのかも知れません。それは引いては、白陵という学校文化が生み出したとも言えることです。

 皆さんは、まずこのことに自信をもってください。皆さんが学んできたことは、基礎的な事柄ですが、同時に学習の仕方を学んできました。さらに加えて、人としての生き方を日々の学校生活の中で身につけているのです。逆に言うと、そういう生活の中で取り組んだものからしか、私たちは学ぶことができないのです。

 私と皆さんとの直接的な接触は高校1年の漢文の授業だけでしたが、学習の場での素直さとがんばりは特筆に値しました。素直に応じられるというのは、感覚が麻痺していないということです。これは、これからどの分野に進んでも共通に大切なことで、今まで知らなかった新しいことに大きな驚きをもって受け止めることができる、その感受性こそが核になります。皆さんが恐れなければならないのは、あることを知らなかった自分の弱さよりも、大事なことに反応することができなかった時の「勘の鈍さ」です。

 これから、皆さんが大学へそして一般社会へと出ていって、どんな人でも苦労するのは、人間関係です。知らない人と関係を持つ、親しい人とでもずっと持続的にいい関係を持つのは、そう簡単ではありません。しかし、持続可能な幸せは、他者との関係の中にこそあるのです。さらに言えば、人間の究極の幸せは、人の役に立つこと、回りから必要とされることから生まれます。

 長年知的障害者を会社に雇い続けている某会長は、「何故彼女たちは、ここまでがんばるのか?」と疑問に思っていたところ、ある禅寺の住職に教えられたそうです。彼女たちが雨の日も風の日も満員電車で通勤し、なかなかできない仕事を必死になって繰り返し練習し、仕上げようとするのは「彼女たちは施設で楽をしていることが幸せだとは思っておらず、むしろ人の役に立ちたい、働きたいと思っている。それは本当の幸せを求める人間の証しなのだ」と。確かに人は、自分が得をすること、トップになることだけでは満足できません。

 今の日本は、いろいろな課題があり、先の見通しがよいとはとても言えません。しかし、それは今に限らず、いつの時代もそうでした。現在、人口減は着実に進んでおり、一方で人の命にかかわる新たな大事件も起き、大震災の復興もはかばかしくなく、さらには原発をどうするかという大難問が迫っています。

 しかし、いろいろな試みがされていますし、日本人は大きく世界の構図を変えることは下手でも、自分たちの周辺を改善していくことには非常に長けています。

 この間も、ある人が原発のことについて言っていました。原発推進、原発廃止と論争自体が目的みたいな物言いをしないで、すでに沢山出てしまっている原発のゴミであるプルトニウム239(半減期2万4千年)を、プルサーマルで燃やしつづけて、半減期30年のセシウム137などに変えることをまず考えてはどうか、と。私は正しく評価はできませんが、新しい着想だとは感じました。

 あるいは、京都に住みながら、インターネットと店舗で世界に向けて日本製の弁当箱を販売しているフランス人がいます。彼に言わせると、これは食べ物を運ぶだけのプラスチックの容器とは全く違う弁当文化だと。文房具などと同様、そこには遊びがあるというのです。5年足らずで、80か国以上から5万件を超える注文を受けているそうで、こういう発想が失われない限り、日本は豊かでありつづけるであろうと言っています。

 私は、人生は、日本の将来と自分自身を信じて、悲観的にならずに生きていくしかないと考えています。脳天気過ぎるかも知れませんが、それは、日本人には今だけにこだわらない、別の価値観があると思っているからです。それは美しさです。日本人は、損得よりも、正しい間違っているよりも、真実虚偽よりも、美しいか否かにこだわるところがあります。その美は、苦しい時に、一つの救いの役を果たします。豊かさの対照にある「わび」の美、日常生活で使われる物がこの上ない美的価値となることは本当に驚きです。日本人がそれだけ美にこだわるのは、そこに余裕とか遊びと言われるものがあるということです。

 皆さんは今日白陵を卒業していきます。それは白陵でなすべきことをほぼ成し終えたということです。そして同時に、保護者のもとでいつも見守られていた状況も終わったということです。皆さんは新しい所で、新しい事柄に向かって、困難に負けずに歩んで行ってください。皆さんの前に現れるのが、皆さんを試す意欲をそそるものであれば真正面からぶつかっていってほしいし、そうでなくても人の役に立つことであれば、挑むに値します。そして、今までは、効率的であること、早くなすことが一番大事だったかも知れませんが、これからは先を急ぐばかりが能でなく、じっくり考え、繰り返し試し、熟するのを待つことも大事になろうかと思います。

 最後に改めて、これからの前途長い皆さんの幸せを祈って、式辞といたします。

平成27年2月11日

             学校法人三木学園白陵高等学校 校長  斎藤 興哉

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答辞

2015.02.11

卒業生代表答辞

 厳しい寒さが身にしみる中、時折差し込む暖かい日差しに春の兆しを感じるようになりました。

 本日、私たちのために、このような厳かで盛大な式を行って下さったことを、卒業生を代表し、心よりお礼申し上げます。

 斎藤興哉校長先生、来賓の方々や在校生からの力強い数々のお言葉を頂き、身の引き締まる思いです。

 卒業に際し、高校生活を振り返ったとき、この白陵で得られたものは数知れません。

 学問の楽しさを学びました。例えば、虹を見ることは、理科を通すと、光が雨水で屈折したのだと見えます。国語では、虹はきれいだな、どうしてそう思うのだろうと考えたりします。英語では、虹を「雨の弓」だと思ったからrainbowと言うのだと学べます。このように、一つのものであってもさまざまな見方ができるという、学びの面白さ、楽しさを知ることができました。

 また、イギリスへの修学旅行を通して、異文化を肌で触れて理解することができました。ビッグベンやウィンザー城などでは歴史の重みを感じ、本場のミュージカルを鑑賞して、心が躍りました。文化も価値観も大きく違う場所に立って、自分の想像のつかない世界が広がっていると知りました。

 また、積極的に行動することの大切さも学びました。運動会での組体操や、文化祭での合唱、劇、ディベートにダンス、どれも学年全体で練習して挑みました。練習の時点では、もう駄目かもしれないと思うことも多々ありましたが、どれも本番では成功を収めることができました。挑戦することの大切さを強く感じた経験です。

 かけがえのない友人たちを得ました。お互い、苦しい時は励まし、迷った時は道を照らすことで支え合って今日まで来ました。同時に、切磋琢磨し合う負けられないライバルでした。仲間がいればこそ、私たちはより高みを目指して充実した学校生活を送ることができたと思います。

 このように、今日まで私たちは多くのことを学びました。けれども、私たちにはこれから多くの困難が待ち受けていると思います。その重さにひるんでしまいそうにもなります。しかし、知は力なりと言います。私たちは白陵で学んだこと、得たものを生かして将来に出会う様々な難題に向き合って行きたいと考えています。

 最後になりましたが、時に優しい言葉で私たちの背中を押し、時に厳しい言葉で私たちの過ちを正して下さった先生方、様々なところで私たちを支えて下さった職員の皆さま、本当にありがとうございました。

 そして、今日までどんな時も私たちをそばで見守り続けてくれた家族にも心から感謝しています。

 白陵高等学校の今後益々のご発展をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。

平成27年2月11日

             第50期卒業生代表 正田浩一朗

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送辞

2015.02.11

在校生代表送辞

 三寒四温とはよく言ったもので、厳しい寒さの間にふと春の訪れを感じる今日この頃、先輩方におかれましては、ご卒業おめでとうございます。月日が経つのは早く、1年前まで一緒に在校生の席に座っていらっしゃった先輩方をこうしてお見送りするのが、なんだか不思議に思われます。

 思えば、不肖の僕たちは、入学した時からずっと先輩方に御厄介をおかけしてきました。初めて部活の見学をしに行った日、その情熱と雄弁でもって僕たちを部室に引きずり込んだ先輩方の腕っ節の強さ、寛大なるお心で「敬語なんて使わなくていいよ」とおっしゃって下さいましたが、先輩、それは逆に恐縮です。時には一緒になって馬鹿なことをして騒いだり、学年が上がるたびに距離が縮まって、恐れ多くもあだ名をつけたりさせていただきました。そのすべてがもう懐かしく思われます。あらゆる行事で後輩の憧れを集める活躍、その後ろ姿は、僕たちに「かくあれかし」と雄弁に物語ってくれていました。

 また、楽しい思い出ばかりでもない、部活をさぼったり、ふざけ過ぎた僕たちは先輩方から容赦のない大喝を頂戴しました。そのとき、僕たちは恐れ多くもふてくされたり反抗したはずです。ですが、今は、あれは「叱って下さっていた」のだとわかります。両親や先生にも相談できない事であっても、先輩方には打ち明けることができました。先輩方は、生徒でありながらも先生であり、常に僕たちの頼れる指導者でした。

 そして今日、とうとう先輩方はこの白陵から去りゆこうとなさっています。それに際し、僕は後輩を代表してこう申し上げます。この白陵という学び舎で、先輩を愛し、そして先輩に愛された後輩たちが、いつまでも忘れることなく先輩方の後姿を語り継いでいきます。まだ頼りない僕たちですが、この白陵の歴史を担い、学園生活をより一層邁進いたします。ですから先輩方におかれましては、向後の憂いなく、思う存分に我が道を歩みだしていただきたく存じ上げます。お別れの言葉を申し上げるのは悲しい。ですが、僕たちは感謝と喜びと祝福の拍手でもって先輩方をお見送り申し上げます。我々後輩はいつまでも、どんなときでも、先輩方に声援をかけ続けます。そしてできれば、時々お土産話を持って、ひょっこり僕たちの前に顔を出してくださる日を、楽しみにしています。

 頑張ってください。

 でもくれぐれもご自愛ください。

 そして、いつまでも白陵のことを忘れないでください。先輩方のご活躍を心からお祈り申し上げます。以上、白陵中学高等学校在校生を代表し、送辞とさせて頂きます。

平成27年2月11日

             在校生代表 増田力也

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卒業式の一日

第50回高等学校卒業式の日です。

2015.02.11



卒業式前の緊張感漂う笑顔。


記念棟玄関で受付をする事務職員と在校生有志。


ブラスバンドが式典前や国歌、校歌、退場の際の演奏を行います。



国歌斉唱。








卒業証書授与。一人一人呼名され、校長から証書を手渡されます。


優等賞授与。



努力賞授与。



皆勤賞授与。中学からの6年を皆勤した卒業生が20名もいました。


卒業生全員。







功労賞授与。今年は科学オリンピック関連に成果が多数ありました。


学校長式辞。


在校生代表による送辞。


卒業生代表による答辞。


卒業生代表による記念品目録贈呈。


卒業式の歌。一同で「蛍の光」、卒業生が「仰げば尊し」、最後に校歌を1番から2番,そして3番をすべて歌います。



卒業生が「威風堂々」に合わせて、拍手の中を退場します。


謝恩会が始まります。


乾杯!


硬い挨拶が終わると、いよいよ卒業生の司会で出し物が始まります。


丸テーブルに立食という形式です。












主任からご挨拶。


放送部のビデオ上映。各クラブの後輩達からの温かいメッセージ集です。


副主任からご挨拶。


最後の締め。


記念撮影。

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